From Editor

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No.5

女の生き方は下着でわかる

突然ですが、あなた(女性)は自分の下着にどのような価値観を持っているだろうか。
“下着”、そう、いわゆる女性のブラジャーや、ショーツのことである。私の場合、あまり胸を強調したくないので(グラマラスなのがばれてしまうので!)、服にひびかないシンプルな、価格は2000円から4000円くらいの手頃なものと決めている。つまり、機能性重視タイプ。さらに欲を言えば、派手にならない程度のレース使いや色がキレイなものであるとなお嬉しい。

なぜいきなりこんな話をするのかというと、ブラジャーやショーツというのは衣類の中でも最も長い時間身につけている「女の必需品」であるにもかかわらず、それについて誰かと語り合うということがあまりないから。
「ブラジャーは何を基準に選ぶの?」「ショーツはどれくらい使ったら捨てるもの?」誰もが興味はあるけれど踏み入れないところに、あえて突っ込んでみようと思い、早速、周囲の何人かにアンケートをとってみたところ、意外にもみんな熱心に自分のこだわりを語ってくれて、ある友人に電話したら、30分以上、下着の話だけで盛り上がってしまった。例えば、「ブラジャーは夜もつけたまま寝る。寝ている間に胸の形が崩れたら嫌なので」、「肌に当たる感じが嫌で、下着はできることならばつけたくない。女子大時代はノーブラで登校することもよくあった」、「下着は破れるまで着る。10年以上使っているものもある」「布があせてみすぼらしくなったら捨てる」「ブラジャーは洗濯しない。型崩れするのが嫌なので洗わないで何回も使う」「ブラジャーにはお金をかける。でもパンツはかわいければ安いものでよい」、「下着の良し悪しで男の気も変わるので、下着の色と装飾には一番気を使っている」などなど。

正直、私の常識を覆す意見が多くて驚いたが、しかし、みんながこんなに下着にこだわりがあるとは、聞きにくいことも聞いてみるものである。

そもそも、下着の歴史を紐解いてみると、日本でショーツが商品化されたのは大正時代(当時はズロースと呼んでいた)で、カフェの女給が男性から貞操を守るためにはいたのが始まりらしい。それ以前の、着物が普段着だった時代には、腰巻やさらしで、いわゆる「はく」ものはなかった。

そして現代。いくつもの時代を経て、今の下着のスタイルがある。ショーツは腹部を包むゆったりしたものから、飾り程度(?)のもの、男性的なトランクス型のものまで、ブラジャーは肩がこらないものから、服の下からちらりとのぞく「見られるためのブラ」なるものまで、さらにはスリップやボディスーツなども登場し、その数は数え切れないほどに増え、私たちは目的や好みに合わせて下着を選べるようになった。だから下着に対する愛着、こだわりも、個人によって実にさまざま。時代の流れとともに多種多様化した現代の下着たちは、まるで「人生」を無数の選択肢としてとらえる今の女性の生き方を象徴しているようだ。

繰り返しになるが、下着について誰かと語り合うことはあまりない。イコール、女性同士、人生について語り合うこともあまりないのではないだろうか。一度話してみると案外盛り上がると思う。

編集スタッフ 藤井 久子