5月 こんにゃくの花
花屋では売っていない、5年に1度の野菜の花
木々の緑も鮮やかになり、水田や菜園、庭の草花にもにぎやかさを感じます。
今月は、歳時記とは少し違いますが、珍しい花が咲いたので、その花を咲かせた植物のことをちょっとお知らせしたいと思います。
白いプランターに植わっているのが
こんにゃくの花
一見、葉もなくすっと伸びた茎に濃い赤紫の花のようなものがついていて、あまり見かけない植物ですよね。これは、実はこんにゃくの花なのです。あまり見かけないのも無理はありません。こんにゃくの花はこんにゃくいもが5~6年冬を越さないと咲かないのです。
私たちが目にするこんにゃくは、「こんにゃくいも」と呼ばれるサトイモ科の植物の球茎から作られる加工食品。種いもを植えてから3年かけてやっと収穫できる大きさに育ちます。その間も秋には一度掘り起こし、冬の寒さで腐らないように保管して、春にまた植付けすることを繰り返して大きくなっていきます。
普通は、3年ほどで収穫してしまいますが、そのまま植付けを続けると、5年をすぎた頃に花芽をつけ、このような個性的な花を咲かせるのです。花の形は水芭蕉やカラーの花にも似ていて、種芋から花の先までは70~80cmくらいに伸びます。花が終わると種いもはしぼみ、新芋もできず、枯れてしまうそうです。
種類も形も色も様々あるこんにゃく。ぷりぷり、しこしこした食感は日本の食卓には欠かせません。不足しがちな食物繊維が豊富で、低カロリーとうれしい食材なので、たくさん料理に取り入れてみてください。
★5月29日はこんにゃくの日
「529」が「こんにゃく」の語韻に似た数字であり、5月はこんにゃく芋の種芋の植付け時期なので、『こんにゃくの日』だそうです。
◎カンタンこんにゃく料理2種
●こんにゃくステーキの作り方(下味を十分にしみ込ませるのがポイント)
こんにゃく1枚は、下茹でし、両面に格子状に切り目を入れて、醤油、みりん、酒各大さじ1を混ぜたものに20分ぐらい漬ける。フライパンにサラダ油大さじ1を熱して、汁気を切り、こんにゃくを両面こんがりと焼く。器に盛り、大根おろしと小ねぎのみじん切り、ノンオイルの醤油ドレッシングをかける。
●しらたきとえのきのソテーの作り方(ヘルシーな一品です)
しらたき1袋は下茹でし、食べやすい長さに切る。えのき茸1袋も食べやすい長さに切る。油揚げ1枚は細切りにする。テフロン加工のフライパンにしらたきを入れて、から炒りする。えのき茸と油揚げを加えて炒め、醤油大さじ1と1/2、酒大さじ1を回しかけて、水分がなくなるまで炒める。好みで七味を入れても。
柳沢美智子